阿波おどり
阿波おどり
徳島を発祥の地とする全国的にも名前の通った夏祭り。約400年の歴史があり、県内各地だけでなく全国的な広がりも見せている。徳島市、三好市池田町、東京高円寺の3つの阿波踊りを見る機会があったがそれぞれに個性があり受ける印象がかなり違っていたのが面白かった。
いけだ阿波おどり
いけだ阿波おどりは阿波池田駅をひとつの頂点とする一周500mほどの三角形と駅前のへそっこ公園を繰り返し踊るお祭りだ。日が暮れる頃静かだった山あいの町はにわかにざわめき始める。すこしすすけたような町並みの中、家の前にいすを並べうちわ片手に見物する地元の人々。祭りの持っている本来の性質のせいか、よさこいのように前に前に出てくる感じは薄い。ひなびた町並みにとけこむ素朴な雰囲気で、編み笠をかぶった女性の伏し目がちに踊る控えめな感じが印象的だ。それほど広くない通りを笛・鐘・太鼓の音とともにはうように進む踊りでは徳島市の大規模な踊りではあまり感じられない風情を感じることができる。参加する連の数は約30で徳島市のものに遠く及ばないが、踊りのレベルなど全く遜色ない。へそっこ公園のステージでは連同士のコラボもあったりして面白い。連と連の間で時々間があいたりもするがそれはご愛嬌、ゆったりとした気分でのんびりと楽しみたいものだ。
徳島市阿波おどり
毎年8月の12日から15日までの4日間、徳島市の中心部で開催される日本を代表する夏祭り。約千の連が参加、踊り手の人数はのべ約十万人、見物客の総数は毎年百数十万人を数えるモンスター級のお祭りだ。まだ少し明るい18時頃踊りが始まると市内中心部一帯には人があふれ、さまざまな音や色彩・香りがあふれるカオス状態へと突入する。その後狂気じみた喧騒は深夜近くまで続くこととなる。
この阿波おどりに出会った時、情緒豊かないけだ阿波おどりが基本だった僕の頭の中の阿波踊りのイメージは大きな衝撃を受けた。まず人の多さに圧倒され、演舞場以外でもあちこちでできる踊り手とそれを囲む観客の輪、とにかくその規模の大きさにはびっくりさせられた。阿波踊りは本来はっぴや浴衣を着て笛・鐘・太鼓の音にあわせて踊る土着的で純日本的なお祭りのはずだが徳島市のものはむしろカーニバルに近いところまできてるな、そんな印象を強く受けた。