新居浜在住の写真好きがお届けする、すこーしマニアックな四国の観光写真

■2020冬 金沢東京4日間

■2020冬 金沢東京4日間


1日目

 いつもなら途中3、4回は足止めを食う信号だが一度も車を止めることなく新居浜駅。なんだか幸先がいい。小雨が舞う暗闇の中6時11分特急しおかぜで出発。岡山からは新幹線。新大阪でサンダーバードに乗り換え11時58分金沢着。

 あたりをつけていた駅ビルの有名おでん店『黒百合』へ。10分ほど待った後カウンター席へ案内される。大根、ふき、イワシのつみれ、車麩、もつ煮込みやアジのぬたなどをいただきながら生中2杯。活気、接客とも申し分なしのいいお店。

 鼓門そばのバス乗り場から兼六園シャトルに乗り香林坊経由で兼六園下へ。結構な坂を登ったところに庭園の入り口が。兼六園が高台にあることを初めて知った。有名な雪吊りの他、街を見下ろす眺望や随所に見られる水の流れなどに特徴。日本を代表する名園だが、個人的には地元四国の栗林公園の方が好み。

 歩いて大樋美術館。楽焼の流れをくみ金沢の地で進化を続けた大樋焼。観光客はまばらだが、井上薫、松永耳庵、勅使河原宏や有名日本画家などビッグネームとのコラボ作品や隈研吾設計の建物、千住博の滝の襖絵など何気に見所が多い。

 歩いてひがし茶屋街。縦横それぞれ数本ずつの通り沿いに明治初期の街並み。木造建物の2階の雨戸にガラス窓が付いているのが特徴か。すぐそばの主計町の茶屋街も見学。

 さらに歩いて近江町市場。多くの店がちょうど閉店作業中。食べログで高評価の回転寿司に入る。ビールをいただきながら3種盛りなどいくつか注文するが、すぐ崩れるシャリに小さなネタ。早々に退店しホテルへ。

 ホテルインターゲート金沢。少しややこしいチェックイン。シャワーを浴びテレビをつけるとタモリさんが浜松を散歩中。一服した後バスに乗り、にぎわう香林坊を抜け片町へ。

 本日2軒目の金沢おでんは『おでん居酒屋 三幸』。店内で待つこと約20分。カウンター席へ。牛すじ煮込みやなまこ酢、ぬた、れんこん団子あたりから始めて、おでんへ移行。大根、車麩、ふき、梅貝などを美味しくいただく。お昼の黒百合さんもいいお店だったが料理のボリューム感などさらにいい印象。

 歩いてホテルへ戻る途中、酔っ払いの目に飛び込んでくる無数の香林坊の文字。香る林の坊って字面がむやみやたらと美しく感じられた。ホテルのロビーでお茶漬けのサービス。


2日目

 大浴場での朝風呂とバイキングの朝食を済ませチェックアウト。バスで金沢駅へ。8時48分のかがやきで出発。立山や妙高の山を眺めながら進む。1月中旬だが線路のそばで雪を見たのは軽井沢駅付近だけ。熊谷のあたりから都心に入るまでただひたすら富士山を眺め続ける。東京着。

 八重洲の地下街を抜けてアーティゾン美術館。開館2日目で大賑わい。30分ほど待って予約の時間に入場。『開館記念展 見えてくる光景 コレクションの現在地』。6階から4階が展覧会場。アプリをダウンロードして絵の説明が聞けるサービスがあったが、うまくいかず断念。作品の説明は最低限の情報のみで詳しい解説などはない。撮影可ということで至る所でスマホカメラマンが撮影中。

 展示作品はブリヂストン時代のおなじみのものに加え新作も多数登場。特に6階は自分にとってまさに楽園、テンションが上がりまくる。明らかに他の美術館の上をいっている印象。なぜアーティゾンだけにこんなことが可能なのか。セレクトがうまいのか資金力が豊富なのかとにかく不思議。5階で少し落ち着きさらに4階へ。少し休んだ後2周目に突入。ここは自分にとって唯一無二の美術館であることを再確認。

 歩いて日本橋駅。東西線で竹橋。国立近代美術館『窓展 窓からはじまるアートと建築の旅』。窓自体はイメージのふくらむ魅力的な素材だと思うが、そこにこだわることが悪い意味で縛りとなってしまった印象。アーティゾン直後ということもあって圧倒的に物足りなかった。常設展に移動。フジタの絵をガイド中のツアーの集団に出会う。女性学芸員の身振り手振りの解説にアートへの愛を感じた。

 さて今、国立近代美術館といえば何をおいても『築地明石町』である。生きているうちに出会うことはないだろうと思っていた長年行方不明の作品が昨年秋突然表の世界に登場。鏑木清方の『築地明石町』と『朝涼』は自分にとって古今東西の美人画の中での2トップ。国立近代美術館が購入したというニュースには本当に驚かされた。購入の際のエピソードなど何か引き出そうと学芸員らしき人や受付などで尋ねるが要領をえず残念。次回2022年の展示の際は何を置いても駆けつけよう。

 Kさんと神楽坂で合流。赤城神社とラカグの隈研吾案件を2つのぞいた後坂を下り飯田橋そばの居酒屋に入る。この一年いろいろ大変だったようで食事制限のことなど話しながら約2時間。特にこれといった印象はないが活気のある店だった。飯田橋から大江戸線。東新宿駅で下車、Kさんと別れる。

 ゴールデン街に突入。10年ほど前に何度か行ったことのある写真関係者が集まるバー。アメリカ人の写真家3人組にインド人女性、日本人のカップル、加えて日本人の写真家が入れ替わりで次々に3人と小さな店だが大繁盛。カウンターの上でアメリカ人のライカをいじったり、それぞれの写真集を見せてもらったりと充実した約2時間。

 11時過ぎに店を出て、アパホテル歌舞伎町タワーにチェックイン。26階。新宿西口のビル街の夜景がすごい。少し食べ足りない感じもあり、よせばいいのにラーメン二郎。深夜12時過ぎなのに8人待ち。豚入り野菜アブラのせをがっつりいただきホテルに戻る。


3日目

 28階の展望風呂をゆっくり楽しんだ後10時前にチェックアウト。伊勢丹で陶磁器や食品の売り場をのぞいた後新宿3丁目から副都心線で渋谷。一面オザケンの地下通路を抜けbunkamuraへ。

 『永遠のソール・ライター』展。今回の展覧会で初めて知ったニューヨークの写真家さん。ちょっと前にはクーニングやロスコー、ポロック、ちょっと後にはウォーホールなどが登場するニューヨークがひたすら輝きまくっていた時代の人。一時期は有名ファッション誌の写真を手掛けたりもしたようだが晩年は金銭的に恵まれず撮影したフィルムの現像すらままならないほど。亡くなる少し前に脚光を浴びるまで長い間ずっと埋れた存在だったとのこと。ほぼ同時代のニューヨークの住人メープルソープやフリードランダーが大好きな自分としてはいうまでもなくドンピシャ好みど真ん中の作風で、いろいろな想いが無限に湧き上がってくる感じ。作風の変遷、精神を患った妹のエピソードなど見所も多いいい展覧会だった。カタログを購入、感動を引きずりながら渋谷の街へ。

 半蔵門線で大手町。八重洲の唐人飯店で麻婆豆腐定食。滝汗をビールで抑えようとするが焼け石に水。東京駅のロッカーに荷物を預けた後銀座線で末広町。湯島天神でお守りを買い、その後上野公園からアメ横、2k540のあたりを散策。

 銀座へ移動。松屋や日産のショールームなどをぶらぶらした後GINZA6へ。家で使っているお茶碗と同じシリーズの小野哲平さんのぐい呑を見つけたので購入。イルミネーションの街並みを抜けて丸の内へ。

 三菱一号館美術館『印象派からその先へ 世界に誇る吉野石膏コレクション』展。本日は最終日のため月曜なのに営業でしかも21時まで開館とのこと。全72点のこぢんまりとした展覧会。順路通りに見ていくが、何かピンとこない。ビッグネームの作品がずらりと並んではいるものの消化不良な感じで何か違うんだよなーという印象が強い。半ばあきらめ気味で入った最後の部屋、ここで奇跡が起こった。壁にかけられた5点のシャガール、これが素晴らしかった。この展覧会のベスト5はそのままこの5点でいいんじゃないかという感じ。中でも『サント シャペル』、『モンマルトルの恋人たち』、『天使と恋人たち』は素晴らしい。時間ギリギリまでねばり大満足で美術館を出る。

 東京駅の地下街で値下げされた深川飯の弁当や焼き鳥、チューハイなどを購入し東海道線のホームへ。停まっていた湘南ライナーが発車すると5分くらいでサンライズが入ってきた。ひときわ大きい車体に特徴のあるカラーリング。たくさんの人がスマホで撮影している。5分ほどで扉が開き2階のシングル席へ。初めての寝台特急に浮かれつつドアのロック方法や各種装備を確認。ゆっくり滑り出したところで弁当を開けチューハイをごくり。車窓の風景を眺めながらゆっくり食事。ゆっくり足を伸ばして寝る。


4日目

 目が覚めるともうすぐ岡山ですのアナウンス。児島あたりで完全に夜が明ける。瀬戸大橋では初めてのスマホ動画撮影に挑戦。結構きれいに撮れたのでびっくり。7時9分坂出着。乗り替えまで時間があったので改札を出て駅前のジョイフルで和定食。特急いしづちの自由席で新居浜へ。



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