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■2012年よさこい日記

2012年よさこい日記

8月10日

 午前11時ホテルの契約駐車場に車を止め少し離れたホテルへ向かう。リッチモンドホテル。よさこいの拠点としては最高の立地。フロントで荷物を預けすぐ前の帯屋町アーケードへ。大丸前へ移動してよさこい見物のスペースを確保する。この大丸前は帯屋町の商店街で唯一道がカーブしている場所で前進してくるよさこいの隊列を正面から見ることができる。背景もきれいで撮影をする方にはおすすめの場所だ。帯屋町のジュニア隊を先頭にまつりがスタート。約500メートルの長距離を踊り続けてきた踊り子の顔には汗の粒が大きく浮かんでいる。始まったばかりだが楽しい。なんでそんなに楽しいのかよくわからないがとにかく楽しい。

 しばらく見た後で中央公園を経由して高知城方向へ。ひろめ市場のやいろ亭で塩たたきと生ビール×2。何年か通ううちにお気にいりになったこのお店。いつも感動的においしいが今年食べたのはいつものと比べるとちょっと??な感じ。

 追手筋の北側車線の縁石にすわる。通りの中央を走ってきた地方車はゴールの位置で車線の右端に車を寄せ停止する。ちょうどそのそばだったので、手に持ったいろはす みかんのペットボトルがスピーカーから発せられる爆音で激しく振動する。追手筋は、街路樹のある中央分離帯を挟んで両側の車線を時間差をつけて同じ方向へ前進する高知で(全国でも?)唯一の競演場。市街地の中心でまっすぐに高知城を目指して前進するというシチュエーションはすばらしい。 

 升形へ移動。ひろめ市場から歩いて約5分、すぐ近くなんだけど見物客の数はぐっと減ってとても見やすい穴場の競演場。踊る距離が短いこともあってすごく集中したいい踊りが見られることも多い。のんびり見たい方には一押しの競演場だ。

 電車通りを西へ歩いて約5分で龍馬が生まれた町、上町の競演場。ここは交通量の多い大きな通りの北側の歩道を利用した一風変わった競演場。ここが地元の上町よさこい鳴子連は受賞歴多数の子供たちのチーム。一昨年の音楽での“かみまっちっちっち”、“か~わい~”のフレーズはいまだに頭の中でリフレイン中。興味のある方は“2010上町よさこい鳴子連”で検索、ユーチューブの動画などでどうぞ。

 升形、中央公園を経由してホテル方向へ。強い雨が降り始める。多少の雨ならそのまま続けるよさこいも、あまりに強い雨と雷のため夜の部の後半が異例の中止に。追手筋の徳島ラーメンの店でかた麺とごはんに生ビール。ホテル1Fでマッサージをした後部屋に戻る。宿泊費は例年利用のホテルより若干高かったが設備、備品等文句なしって感じで大満足。オリンピックを見ながら幸せな気分で寝る。



8月11日

 よさこい開始まで時間があるのでホテルをチェックアウトして高知県立美術館へ。開催中の“ミロ展”と常設の“シャガール展”、“TABERU 日々のうつわ、手に包まれる食の道具たち展”を見る。ミロの版画は見ていて楽しくなるし、シャガールの部屋の奥の壁の常設の5点はいつ見てもすばらしい。それと今回の発見はTABERU展に出品していた高知在住の陶芸家小野哲平さん。売店に置かれていた作品はちょっとイメージが違ったので購入しなかったが、展示室に置かれていたものにはほしいものがたくさんあった。今回の美術館は大当たりだ。

 まだちょっと時間があるので五台山の牧野植物園へ。入口そばの食堂で鳥うどんを食べた後入園。山の斜面を利用した庭造り。遊歩道の曲線などちょっとしたこだわりが楽しい。花は本来少ない時期のはずだがけっこうあちこちで咲いている。広い敷地にびっくりするくらい立派なデザイナーズ建築。維持管理は大丈夫なのと余計な心配をしたくなるくらい豪華な施設だった。

 14時サウスブリーズホテルにチェックイン。シャワーを浴びたあと、すぐそばの菜園場競演場へ。ここは升形と同様地元密着型のこじんまりとした商店街で日除けになる屋根もたくさんあるし、見物客も帯屋町や追手筋のようには多くはなくてとても見やすいお気に入りの場所だ。ちんちん電車でひろめ市場へ向かう。ひろめはごったがえしていて当分席はとれそうにない。追手筋に出ると“ほにや”や“とらっく”が遠くから近づいてきている。“とらっく”の地方車は何か仕掛けでもあるのか左右に尋常じゃないくらいゆれている。

 外で軽く昼を済ませた後歩いて梅の辻へ。ここはコースの真ん中に大きなカーブがある珍しい競演場。カーブをちょうどまわりっきったあたりの歩道にすわり、広い道幅でゆったりと踊るカラフルな衣装の踊り子を街路樹や山の緑を背景に撮影する。

 中央公園、帯屋町の商店街を経由してはりまや橋の競演場へ。見始めてから3番目に“とらっく”が登場。昨年よさこい大賞受賞の超人気チームだ。踊り始めるポジションについたところで地方車の上から今年の受賞結果の報告があることが告げられる。にわかに静まる競演場。「去年は超気持ちよかった!」何を言い出すんだろう、今年はどうだったのという思いが頭をよぎったところでさらに北島康介のフレーズを重ねて「今年は、何も言えねえ2連覇で~す」。列の中盤あたりで見ていたが付近の踊り子たちがいっせいに抱き合い泣き始める。去年と全く同じ光景が同じ時間同じ場所でくりひろげられる。勝ち負けじゃないとはいえやっぱり幸せな瞬間。近くにいるだけで幸せを分けてもらえるような、見物客にとっても至福の時間だった。

 菜園場に移動。午後9時最終の菜園場チームが踊りぬけるまで見届ける。この競演場での今年のよさこいが終わった。コンビニで飲み物とつまみを仕入れホテルに戻る。今回の部屋は前回とは違って旧館。運良く予約が取れたことには大感謝だが設備等はちょっと古い感じ。本館へまわり展望大浴場。5分ほどサウナにも入る。部屋のテレビはブラウン管。わざわざアナログに変換されたちょっと粗めの映像でオリンピックを見る。女子バレー銅メダル。おめでとう。



8月12日

 ホテルでバイキングの朝食。いい感じのBGMがかかった中で食べた昨年の朝食はさらに内容がよかったような気もするが1泊5000円少々でこれだけそろってたら文句はいえない。

 チェックアウトして車で東へと向かう。ホテルにあったパンフレットで見つけた野市の「龍馬歴史館」へ行くが改装中で入れず。すぐそばにあるもうひとつの目的地「四国自動車博物館」に入る。カウンタックLP400にフェラーリの246ディーノ、512BB。ロータスヨーロッパにランチャーストラトスなどなど。デパートの屋上にスーパーカーを見に行っていた世代としては感激モノのラインナップだ。

 高知へ戻る途中、昨年食べたうなぎの味を思い出し、すこし道をそれて浜改田のかいだ屋へ。時間も開店直後だったしうなぎの価格がありえないくらい高騰している今、楽勝だろうとのんきに構えていた自分が甘かった。ウインカーを出して駐車場に入ろうとする車の列に警備員がたてつづけにダメ出しをだしている。断念。高知へ戻り追手筋南側の駐車場に車をとめる。

 快晴。熱い。すこし歩いただけで背中に汗がにじむ。高知城の追手門を入ったところにある、前に大きく花道がはりだしたT時型の特設ステージへ。テレビの撮影や照明用に組まれた足場の前に脚立を立て撮影場所を確保。日焼け止めをぬりたくり顔や背中の汗をぬぐいつつ待つこと数10分、地元テレビ局アナウンサーの司会で全国大会の開会式が始まる。受賞チームと全国大会出場チームの紹介、市長や知事、ペギー葉山さんらのあいさつなど。徐々に見物客の数が増え始める。開会式終了後約30分くらい間があいて踊りが始まる。地方車奨励賞を受賞した本山さくら、高知信用金庫以外の全受賞チーム(22チーム)が地区競演場連合会奨励賞、審査員特別賞、地方車奨励賞、銀賞、金賞、よさこい大賞の順に演舞する。会場はすぐに人でいっぱいに。通行路を確保しようと叫ぶ警備員の大きな声が蝉の音と重なってさらに熱さを増幅させる。

 昨日一昨日とあちこちの会場でよさこいをみる中で“サニーズ”や“よんでん”、“東印度公司”など何度も出会ったチームもあれば、“國士舞双”や“サボタージュ”、“京町・新京橋 ゑびすしばてん連”、“俵屋グループ”など本祭りでは出会わず今日初見のチームも多い。22チームを続けて見るとなると結構な時間になるが、衣装や音楽、踊りなどそれぞれ個性があって見ていてちっともあきない。本来は通りを前進する流しの踊りが好きだがステージの踊りもなかなか楽しい。少しずつ雲が増え、それが次第に黒みを帯びてきてよさこい大賞の“とらっく”が踊り始める頃にはかなり大粒の雨が降り始めた。本当に天気がめまぐるしく変わる今年のよさこいだ。多くの人と同様、雨の中“とらっく”の踊りを最後まで見た後で会場を後にした。フルに3日間よさこいを見たのは初めてだったのでへとへとに。ひろめと南国パーキングでお土産を買い家路につく。

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